꒰๑ ᷄ω ᷅꒱

ゆめにっき時々ぽえま~

ぽえま~ 15

昨年の先月までぎりぎり付き合ってたヒモの元彼を思い出すことも減ってきたが、ヒモをヒモたるマダオにしてしまったのは私なのでないかと思う節が多々あり、そういう意味では引きずっている。その後付き合った独身貴族の35歳とは比較にならないほど引きずっている。

 

ヒモとは小学、中学の同級生だった。談笑はしても一緒に遊ぶような仲ではなかったし中学2年のとき誕生日おめでとうって言ったら「なんで俺の誕生日おぼえてんの、きも!😣」と返されてから私の中のあいつの評価はだだ下がりしたし、当時私の嫌いだった女の子に好意を寄せてることを知った時から「うーわもう近寄らんとこ…」と特に関わることもなくなっていった。

大学2年のある日、幼なじみから突然「ねえなんかヒモがお前と連絡とりたがってるんだけどLINE教えていい?」と連絡がきて、そこからヒモの恋愛相談に乗ったのがきっかけで、私たちは中学を卒業ぶりに再会し、その後付き合うに至った。

その時思い出したのだが、彼の家庭環境も私に負けず劣らずかなり酷かったのだ。中学の時めちゃくちゃにリスカをしていたり自殺しそうなほど思い詰めていて、私の幼なじみに助けてと泣きながら電話を掛けていたりした。そんな家庭環境で育ったからなのか、彼はとても一途だった。そしてそれは私もだった。お互い愛に飢えてたのだろうか、みたいな感じだった。そして彼は私の家庭環境などにもよく理解を示してくれていた。それだけで良かった。私の家と彼の家が敵対していることを知るまでは(昼ドラか?)。もともと親族が嫌いだった私はこれを機に完全に身内と縁を切ろうと思っていた。人間関係を親や祖父母に縛られるのが本当に嫌だった。だから家から通えない大学に入学して家を出たのに、結局あいつらに私の人生を壊される。そう思った。だからヒモにだけは特別に家の事情を話して今すぐ別れろと言われてることを打ち明けた。人前で泣けない私が号泣しながら話した。ヒモには心を許していたから泣けたんだと思う。ヒモは一緒に泣いてくれた。泣きながら一緒に幸せになろうと私を力いっぱい抱き締めた(昼ドラか?)。そしてそれから私たちは狂っていった。人間は欲を満たせば満たすほど貪欲になっていってしまう生き物なのだと思い知った。私はヒモがいれば何も要らないわ!状態になってしまい、友達を蔑ろにしはじめ、親族からの連絡を一切無視していた。でも親からは毎日長文が送られてくるし祖母からは直筆の長文手紙が届くしでどんどん精神が壊れていった。うつ病だった。ヒモと会うと気が緩んでわんわん泣きわめき、ヒモはもらい泣きし、私を抱き締めた。ヒモはとてもとても優しかった。私は初めて居場所を見つけたような気さえしてた。泣いてもいいと思えたのは初めてだった。もちろんずっと泣いてる訳じゃなかったから、楽しいこともした。朝日が昇る前にコンビニでめちゃくちゃ食べ物を買ったりして、夜通しゲラゲラ笑いながら二人で食べて、寝て、起きて、笑って、泣いて、ヒモが帰り、泣いた。付き合ってからはそんなことが多くなった。でもたぶん、どんどんヒモも疲れていってしまったんだろう。ヒモは泣かなくなったし、私が泣いててもほうっておいた。構われないと私はもっと泣いた。私は、別れたほうがいいんじゃないかと思い始めていた。私が卒業後東京へ出るというと、じゃあ俺が先に引っ越すから一緒に住もうと言ってくれた。最初は嬉しかった。でも次第にヒモが出会い系アプリを入れていることが発覚したり、お互いに冷めはじめていることがわかってきた。だから同棲すると決めたことも後悔していた。やめたかった。引っ越しの準備をしていても、どんどん気が重くなるだけだった。でも思い出と、親族と縁を切れるチャンスだという期待で、私はもう引き返せなくなっていた。突然仕事をやめて東京に引っ越したヒモはあっという間にダメ人間になっていった。金を稼ぎにパチンコに行き、カードや雑貨を転売していた。アルバイトも長く続かず、部屋に行くとゴミとほこりと転売商品でいっぱいだった。家賃8万の新築の部屋のあちこちに生活の死骸が転がっていた。一緒に暮らし始め、私が仕事に行き始めると、ヒモはどんどん何もしなくなった。朝起きてお弁当を作り会社に行き、帰ってきて家事をする私に目もくれず、派遣をクビになってからは朝から晩までゲーム漬け、夜はゲームの友達と長電話で私は眠れなくなり、最悪の社会人のスタートを切ってしまったと思った。働きはじめの私は貯蓄もなく、あちこちで借金しながら家賃を払い、生活を工面した。お互いうまくいってなかった。別れたくて仕方がなかった。でも別れを切り出すとヒモは泣いて謝り、本当は仲良くしたいんだと言った。私もそうだった。昔みたいに楽しく二人で笑いたいと思っていた。だから頑張ろうねと何度も約束した。でもできなかった。お互い思い出と情にがんじがらめにされていた。別れ話が円満に進みそうだったこともあった。一度離れてお互いリセットしよう、一年後また会ったら、うまく行くかもしれないね、なんて話して笑いあった。でも結局同棲生活は長くは続かず、私は飛び出してしまった。最後のお別れの日、お互い少しだけ泣いた。別れたことを後悔はしなかった。でも日が経つにつれ、恩を返せなかったことをとても悲しく思った。同時に、ヒモをあそこまでのマダオにしてしまった自分を激しく情けなく思った。ヒモは私の感情の波に揉まれた結果生まれてしまった悲しきモンスターだ(???)

 

ちょっと何が言いたいのか分かんなくなってきたんですけど、私はあの過ちを二度と繰り返したくない。大好きな人の今を愛せないのならば、その関係性は終わったに等しい。朝が来る度好きだと思えなければ、意味がない。人は変えられない。好きだったあの人を取り戻そうとしても、過去には戻れない。誰もかれも自分も、前にしか進めない。良くも悪くも私たちはアップデートしかできない。アップデートしないと人間はどこまでも腐っていく。だから腐らないよう、常に最善の関係を今の彼と築いて行きたいし、もしも腐りそうになってしまったら、その前に自分の両腕を切り落とす覚悟も出来ている。だから私は今日も一人で夜な夜な泣く。そうしないと、甘えるのが下手で加減がわからない私は、どこまでも人にも自分にも甘えてしまうから。私はまた優しい誰かを腐らせてしまうかもしれないから。寂しいけど、甘えたいけど、あの日と同じ後悔をしたくないから、一人で泣くのだ。それしか方法が見つからないのだ。